5人を選抜したら
■ 5人を選抜したら
5人を選抜したら
もし三国から時代を問わず5人の代表者を出して対戦をさせたらどういうことになるでしょうか。ただ単に戦わせるといったら全員が全員将軍を選出してしまう為、軍師の知略と将軍の力を横並びにさせてみましょう。そうなれば蜀は諸葛亮(孔明)、関羽(雲長)、張飛(翼徳)、趙雲(子龍)、龐統(士元)の5人が選ばれるのではないでしょうか。人によっては五虎将軍である馬超(孟起)や黄忠(漢升)を選出するかもしれないがやはり「伏龍か鳳雛のどちらかを味方につけたら天下を取れる(伏龍は諸葛亮(孔明)、鳳雛は龐統(士元)のこと)と言わしめるほどの才能を持つ人物なので龐統(士元)を選出したいところです。
魏で5人選出するとなると個人的に夏侯惇(元譲)、司馬懿(仲達)、張遼(分遠)、曹仁(子考)、夏侯淵(妙才)を推します。許著(仲康)、典韋などの活躍も目を見張るものがありますが、一曹操(孟徳)のボディーガードだったという観点から見るといまいちインパクトが足りないため選出は控えました。
そして呉で5人選ぶのであれば周瑜(公瑾)、孫策(伯符)、呂蒙(子明)、陸遜(伯言)、太史慈(子義)と言ったところではないでしょうか。これに関しては魯粛(子敬)、甘寧(興覇)などが上がりそうな上、孫策(伯符)を将軍として組み込むのはどうかという意見も出そうですが、あくまで仮想なので、このようにしました。
上記の5人を対戦させたら
■ 上記の5人を対戦させたら
上記の5人を対戦させたら
さて、上記の5人を対戦させたら蜀が圧倒的に強いような気がします。三国志の中で関羽(雲長)、張飛(翼徳)、趙雲(子龍)を1対1で倒せる相手は呂布(奉先)しかいないように見受けられるからです。さらに知略でいうと1番手はまず間違いなく諸葛亮(孔明)で間違いないでしょう。言ってみれば知略部門で1位、武力部門で1,2,3位を蜀が独占していることになります。
では2番手はと言ったら呉が勝つと予想します。周瑜(公瑾)と司馬懿(仲達)はほぼ互角。張遼(文遠)と孫策(伯符)もほぼ互角。残りの夏侯惇(元譲)、曹仁(子考)、夏侯淵(妙才)対呂蒙(子明)、陸遜(伯言)、太史慈(子義)では後者に分があるからです。
よって蜀がダントツに強く残り2国は若干呉がリードしているという状況であるといえます。
戦は将棋ではない
■ 戦は将棋ではない
戦は将棋ではない
では「なぜ蜀は三国を統一できなかったのか」と言ったら「戦は5対5の勝負ではないから」ということが言えます。5対5なら圧倒的に蜀が強くても10対10、100対100になっていくと分が悪くなっていくのです。そもそも同じ戦力ではないため蜀は天下統一を果たすことができなかったということが言えます。
将棋は戦ゲームではありますが、全く同じ戦力で開戦するということはあり得ないし、敵将に討ち取られたら寝返るということはほとんどないのです。
「正々堂々、同人数で将軍達だけで戦いあおう」なんていう流れに追っていくことができたとしたら面白いですが、曹操(孟徳)ならそれがどれほど分の悪い戦いになるかすぐに分かることでしょう。
曹操が誰よりも人材を集めようとした裏側に「うちの将軍、軍師の能力は他国に劣る」という想いがあったからに違いありません。
仮に15人を選出すると
■ 仮に15人を選出すると
仮に15人を選出すると
とはいえもし15人を選出するとなると話は変わります。蜀は10人目あたりから将軍、もしくは軍師の力が極端に下がってきます。いかに関羽(雲長)、張飛(翼徳)が他国に対してリードを付けたとしても追いつかれてしまいます。一方魏はどうかと言ったら、魏は5人目も15人目もほぼほぼ変わらない力を発揮することができます。
サッカーで言ってみれば控えの選手が先発メンバーと遜色ない力を持っているということになります。そのため長期戦になればなるほど、試合数が多くなればなるほど力を発揮してくるのです。
戦は長丁場なのでまさに魏の独壇場と言ったところでしょう。
蜀には超突出したメンバーがいるため漫画でいうところの主人公チームっぽい感じがしますが、魏はパッとしないねちっこいチームと言えるでしょう。それでも難攻不落のため倒すことができないのです。
戦は総合力が問われる
■ 戦は総合力が問われる
戦は総合力が問われる
上記で分かるように戦は将棋のような戦いではありません。君主の人柄、建国能力、人口、将軍の数、強さ、軍師の発想、発明など複雑に絡み合って国の強弱が決まります。もし「戦は無駄に人が死ぬだけだから少人数で戦いを行い勝った国が天下統一することにしよう」という流れを諸葛亮(孔明)が作ることができたら蜀の独壇場だったでしょう。
歴史に「たられば」はナンセンスですが、全く同じ戦力での戦いが起これば本当に諸葛亮(孔明)の知略はすごかった、関羽(雲長)の戦闘力はとんでもなかったということが分かってより面白かったことは言うまでもなかったでしょう。
逆にそこまでパッとしない蜀の廖化(元倹)(彼は60年以上戦場で戦った人物で「奇跡の男」なんていう呼ばれ方をしているほどです)が実はめちゃくちゃ強かったなんて言うこともあるかもしれません。
とはいえ強いとされている武将、賢いとされている軍師はどのような状況でもある程度の成績、戦績を残すことができたのだろうとも思います。中にはまぐれでその地位にたどり着いた者もいると思いますが、「なるべくしてなった」という方が面白い解釈なのではないでしょうか。
まとめ
■ まとめ
まとめ
仮想、少人数対少人数での対戦はいかがだったでしょうか。人それぞれ解釈はあるにせよ、蜀が他を圧倒するという考え方の人は多いのではないでしょうか。知識を蓄えるということは三国志を楽しむ要素の1つではありますが、仮想で戦わせる、個人的に国のメンバーを選出するという妄想をすることでより三国志を楽しむことができます。(三国志関連のゲームは正にそういった妄想から成り立っています。そして数多くのヒット作が存在しているのです)
まずは各国5人を選出してみてください。将棋形式のように戦わせ、終わったら10対10、15対15と増やしてみてください。きっと増やせば増やすほど蜀の存在感が弱くなっていき、天下統一できなかった理由が見えてくることだと思います。
さらに「蜀は飛車角ぞろいだな」とか、「魏は金将、銀将が多く、歩が豊富にある」。「呉は飛車角金銀それぞれそろっているな」など、各国の色が見えてくることでしょう。