三国志演義の見どころ 人気武将【劉備・曹操・呂布・趙雲】

三国志演義の見どころ 人気武将【劉備・曹操・呂布・趙雲】

世間的に三国志といえば「三国志演義」が愛されているといえます。一騎討ちや神業ともいえる智謀の数々、妖術など、人間離れした活躍を見せてくれます。もちろん、フィクションの世界ですが、ある意味正史よりも有名である三国志演義について、人気武将である劉備(玄徳)・曹操・呂布・趙雲らの見どころをここで解説していきます。


主人公は優しさがにじみ出ている劉備玄徳

三国志演義の始まりは、後漢末期の黄巾の乱が勃発した184年になります。劉備(玄徳)は高齢の母のために一生懸命稼いだお金で高価なお茶を買い、帰宅途中に黄巾賊に絡まれてお茶や父の形見という剣まで取り上げられてしまいます。

ある意味ひ弱な青年という印象を受けますが、主人公という存在はこのくらいマイナスから入ったほうが感情移入しやすいものです。もちろん、劉備(玄徳)を助けに曲がったことが大嫌いな張飛が助けに入り、お茶と剣を取り返してくれます。

この出会いがきっかけで劉備(玄徳)と張飛は仲良くなり、張飛が知り合いの関羽を引合すことで三人が一同に揃い、劉備(玄徳)の家へ招かれて義兄弟の絆を交わした桃園の誓いとなるわけです。

劉備(玄徳)が年長者であり、漢王朝の末裔という血筋を引くことから、三人の中でリーダーとなります。関羽は落ち着いたイメージで、張飛は短気だけど人情味溢れるタイプと両極端ながら体が大きくて腕っぷしも強いことから、二人は劉備(玄徳)のボディーガードも兼ねるようになります。

庶民派のヒーロー

劉備(玄徳)の素晴らしいところは、決して驕れず、他人に優しく、志が高いことです。そんな劉備(玄徳)に関羽と張飛は惹かれていくのですが、この時代は戦乱の中であり、きれいごとだけでは生きていけません。序盤は劉備(玄徳)が優れた計略を見せて敵を一網打尽にする模写も描かれています。優しい劉備(玄徳)であっても、漢王朝を復興させるという壮大な目標のためには手を汚さざるを得ない状況になり、風下から敵陣へと火を放ち、多くの将兵を焼き殺してしまいます。

時に厳しい姿勢を貫き、理想実現のためにまい進する劉備(玄徳)は、関羽や張飛、趙雲といった猛将たちの武力を持たず、諸葛亮のように智謀を張り巡らせるわけでもなく、兵や民を大切にする温厚なリーダーとして存在し、多くの部下や民衆に慕われるようになっていきました。

序盤を除き、特に戦場で指揮を執るわけでもなく、関羽や張飛、趙雲が目立ち過ぎ、徐庶や諸葛亮の智謀が凄すぎて、劉備(玄徳)は基本的に何もせずに敵軍に勝利しています。そんな特別な武器を持たない劉備(玄徳)は庶民向けヒーローだといえます。

三国志演義で劉備(玄徳)の見どころは、長坂の戦いで曹操の大軍に迫られている最中、部下の先に逃げてくださいという進言に対し、自分に付いてくる民を見捨てることができないと言い放つ場面でしょう。劉備(玄徳)が人徳の士であることは間違いありません。

また、関羽と張飛に先立たれ、自身もすぐに後を追うように志半ばで亡くなるのが物語を読む人の共感を呼んでいるといえます。

悪役に時代の英雄曹操を配備

劉備(玄徳)が正義の味方ならば、やはり悪役が必要です。その対極に位置するのが曹操孟徳でしょう。序盤から格好よく登場し、先見の明を持ち、智謀や教養、指揮能力とすべてに優れている有能な指揮官として、瞬く間に領土を拡大していきます。

しかし、曹操は悪役とはいえ、かなり人気の高い人物です。もしかしたら劉備(玄徳)よりも人気があるかもしれません。この曹操は決して順風満帆ではなく序盤から負け戦もあり、それでも兵力が乏しい時期から自信満々に登場しているのが魅力的なのです。

そんな曹操とはいえ、力が及ばない董卓に逆らわず、袁紹や孫堅といった自分よりも家柄や実績を持っている者を建てています、冷静沈着、頭脳明晰ながら油断することが多いという一般人らしい面を持ち、董卓や呂布、張シュウ、劉備(玄徳)、孫権らの軍勢に敗れています。

特に張シュウとの対決では一時降伏させるものの、愛人に溺れすぎて敵軍に囲まれてしまう失態を演じ、長男の曹昴や猛将典韋を失うことになってしまいます。

それでも立ち直り、常に真っ直ぐ前を見据えて突き進むのは王者の証ともいえますので、曹操の人気は高いものとなっています。

自ら指揮官として戦い、周囲を引っ張るリーダー

曹操が悪役というのも、たびたび劉備(玄徳)の邪魔をするからでしょう。そして常に戦闘には参加し、自ら指揮をとる姿が勇ましく、劉備(玄徳)や孫権とは違った周囲を引っ張るリーダータイプといえます。

曹操の見どころといえば、董卓から逃げる途中で知人宅にお邪魔し、料理を振る舞う物音を暗殺される勘違いして一家惨殺してしまう場面で、同行していた陳宮が思うことはないかと聞いても「俺が天下の人間に背こうとも、天下の人間が俺に背く事は許さない」と冷酷に言い放つところです。

自分に逆らうやつには容赦しないと言い切る、まさに悪役にふさわしいセリフといえるでしょう。

赤兎馬を操った天下無敵の呂布

三国志演義で最強の武将といえば、呂布で間違いありません。登場人物の中でも武力上位といえるのが関羽や張飛、趙雲、馬超であり、虎牢関の戦いでは関羽と張飛、プラス劉備(玄徳)が参戦して呂布と対決しています。呂布は関羽や張飛の凄まじい強さに驚きますが、逆に全くやられない呂布の凄さを見せつけています。

また、呂布は曹操軍の許チョや典韋とも対決し、同時に相手してもむしろ押しているという凄まじさを見せつけています。

史実通りに裏切りも道を選びますが、貂蝉とのエピソードでは本気で愛情を持って接したことがうかがえる純情さも見せています。また、晩年には曹操軍に城を囲まれ、袁術の下へと突破するのに愛娘を背負ったまま突入し、危なくなって引き返す優しさも見せています。もしも、単騎ならば逃げ出せたかもしれないと思わせるほどの武力を見せていました。

大人気のキャラクター 趙雲子龍

三国志演義で一番人気といえば、やはり趙雲子龍です。劉備(玄徳)陣営の前半戦途中から活躍し、多くの戦場で劉備(玄徳)軍の危機を守っています。趙雲といえば槍使いの美男子というイメージで何よりも名前がカッコいいといえます。

趙雲の見せ所は、長坂の戦いにおいて、自分が守備していた劉備(玄徳)夫人と長男の阿斗の行方が分からず、単騎で10万もの軍勢を誇る曹操軍に割って入る場面です。趙雲は曹操軍を槍で突き崩し、単騎ながら突き進んでとうとう夫人と阿斗を探し出します。夫人は足手まといになるからと井戸に身を投げ、その思いに涙した趙雲は何が何でも阿斗を劉備(玄徳)の元へと連れ帰る決心をし、凄まじい将兵に囲まれながらついに突破して帰参することができました。

また、この後に入れ替わりで登場する張飛の仁王立ちと合せて、長坂の戦いは劉備(玄徳)軍の大きな見せ所であり、多くの作品で取り扱われています。

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