あなたは何かを好きすぎてマニアックなことを話して友達から引かれてしまったり、解釈が間違っていて顔から火が出るような経験をしたことはありませんか?
こちらで三国志の記事を執筆させていただいている筆者は、小学一年生のときに「真・三国無双」というアクションゲームで遊んでからというもの三国志が好きになり、今でもその熱は冷めていません。中学生以上になれば「みんなが知らない話をするのは控えよう」、「周りと浮かないようにしよう」という羞恥心や協調性からくる自制が働くのですが、小学生の頃の筆者は見聞きしたことのすべてを家族や友人などの周りに話したくて仕方がありませんでした。
そしてそれが、これから紹介する失敗や恥をかいた体験につながるとは思いもよりませんでした。
名ゼリフをマネして無視される
■ 名ゼリフをマネして無視される
名ゼリフをマネして無視される
「大事を成すには、まず人を以て本と為す」。これは蜀の初代皇帝となる劉備(玄徳)が長坂波の戦いにおいて、曹操(孟徳)率いる魏軍にすんでの先にまで追い込まれたときに部下の諫言に対して放った言葉で「偉大な功績を上げるためには、みんなのことを考えることこそが第一である」という意味なのですが、古典を学んでいない人たちからすると聞き取ることさえ難しい言葉でもあります。
このエピソードは学芸会の劇で演じる配役を決める学級会でのできごとです。筆者少年含む青森の片田舎にある小学1年生は当時「ごんぎつね」を演じることになりました。この劇はあなたもご存じのとおり、ごんぎつねの「ゴン」が「兵十」という漁師が獲ったウナギを盗み食いしてしまったがために「兵十の母親」が食べ物を食べれなくなったことで病死してしまいます。罪悪感に駆られたゴンは悲しみにくれる兵十のため食べ物を毎日運んで償いをしようとするのですが、ある朝泥棒に間違われて兵十にゴンが射殺されてしまうという悲しいお話です。
私は工作が得意だったこともあり、大道具の係を引き受けました。衣装担当や大道具・小道具の係はすんなり決まったのですが、主役のゴンと準主役の兵十を誰が演じるかがなかなか決まらず、多数決で決まるか!?と思った矢先に、クラスに一人はいる目立ちたがり屋な子がなかなか引こうとしません。担任の先生も見守りつつ、いつ声をかけようかと迷っている様子でした。
そこで、お節介な筆者少年がここはひとつ劉備(玄徳)の言葉を借りて多数の支持を集める我がクラスのアイドルを推そうと決心し、「はい」と右手を高々と上げて挙手しました。「筆者くん、何ですか?」とクラス委員長に発言を許された筆者は声高らかに、「大事を成すには、まず人を以て本と為す」と自信満々に意見しました。すると、どうでしょうか?友人たちが私をハトが豆鉄砲を食らったような顔で注目しています。
教室じゅうがシーンと静まり返るなか、担任の先生が「はい、筆者くんがいいことを言ってくれましたねー、ゴンはみんなから名前が出た○○さんが一番いいと思うけどみんなはどう思うかなー?」とやっと口を開いてくれました。
(先生…話すならもう少しはやく出てきてよ…)そう内心思いつつ静かに席について目を閉じた小学1年生の思い出です。
オリジナル武将データベースを閲覧される
■ オリジナル武将データベースを閲覧される
オリジナル武将データベースを閲覧される
あなたは「信長の野望」というゲームで遊んだことはありますか?
PCやプレイステーションで今なお人気を博しているゲームです。その三国志バージョンもあります。こちらのゲームはプレイヤーが一大名になりきって自国の政治を進めながら他国との戦争をして国を統一することを目的としています。
こちらのゲームは戦争しすぎても領民から反乱を起こされたり、農作物の生産だけに集中しても他国との戦争に勝てなかったりと政治家、戦略家双方の能力を問われる実に奥深いゲームです。
そしてこのゲームでは家臣として抱える武将のステータスが戦況や政治の安定を大きく左右します。これを見やすくしたのが、同ゲームのカテゴリにある武将データベースです。武将の一覧が出てきてステータスを閲覧できます。
筆者少年はこれを自分の友人や家族などの身近な人物たちのステータスを独断と偏見で決めて、オリジナル武将データベースを自由帳にガリガリと書いて作成しました。このデータベースの作成期間は3カ月で、当時は宿題よりも時間をかけて作りました。そして友人たちが遊戯王デュエルモンスターズをするために我が家に遊びに来たとき、青春の1ページを飾る出来事が起きました。
たまたまジュースやお菓子の準備するためにその日は先に自分の部屋を友人を通しました。するとどうでしょう。自分の部屋のドアを開けたとき、筆者の視界にはオリジナル武将データベースの刻まれたノートを広げて読んでいる友人の姿が映りました。
このときの衝撃はわかりやすく言うと徹夜で書き綴ったラブレターやポエムを母親に見られてしまったときと同等レベルでした。
1週間分の勉強時間を無駄にする
■ 1週間分の勉強時間を無駄にする
1週間分の勉強時間を無駄にする
中学生になると社会の授業では地理、公民、日本史に加え世界史を学習します。中学で学習する世界史のはじめは猿人やネオンデルタール人の出現に始まり古代エジプト文明、メソポタミア文明などの4大文明を学んだ後、殷の甲骨文字などを学びます。ここまでくると今か今かと三国志が授業に出てくるのが待ち遠しくなり、筆者少年は1週間かけて三国志を復習しました。そして、復習した内容を友人たちに説いて回りました。しかし、実際の授業内容は…。
「中国では500年続いた春秋戦国時代を終え、秦の始皇帝が初めて中華統一を果たした。秦の次の漢は長く続く王朝で漢字や漢文などを確立した…~途中省略~漢が滅ぶと、中国は魏・呉・蜀からなる3つの国々に分割され、三国が鼎立した」という一段落にまとめられていました。
友人たちからは「せっかく勉強したのに残念だったな」と笑われてしまいましたが、なにより恥ずべきことは教科書の筋書きをみることもなく1週間分の勉強時間を世界史のためだけに費やしたことです。おかげで苦手な国語と英語はボロボロの状態でした。
まとめ
■ まとめ
まとめ
当時は冗談でも笑えないほど恥ずかしい失敗でしたが、今では同窓会での笑い話となっています。おそらくあなたは筆者のような失敗をすることはないと思いますが、筆者のように見聞きしたことをとにかく誰にでも話したいという欲求に駆られてしまう方は要注意です。