あの曹操を困らせた左慈のマジックって?ゲームや漫画での活躍も

あの曹操を困らせた左慈のマジックって?ゲームや漫画での活躍も

峨眉山で30年間修行していた方術士・左慈。三国志演義では、魏のリーダーである曹操をマジックでもてあそんだことで知られています。現代でも注目されそうなマジックだけでなく、ゲーム『真・三國無双』シリーズや漫画『三国志』での活躍もご紹介します!


左慈と曹操について

まず、左慈と曹操はそれぞれどういう人物なのでしょうか?

左慈 元放(さじ げんぽう)
中国三大霊山の一つ「峨眉山」で30年間道術を学んだ男。どうやら石壁の中から『遁甲天書』を手に入れたそうですが、その素性は明かされていません。

曹操 孟徳(そうそう もうとく)
魏の政治家。文武に優れていることから、「治世の能臣、乱世の奸雄」と評された人物でもあります。
三国時代の大都市・洛陽の北部尉(警察署長みたいな位置づけ)として違反者を取り締まったほか、たった7万の兵力で10倍の力を持つ袁紹(えんしょう)に打ち勝ったという功績を持っています。優れた部下たちとともに覇道を歩んだのち、息子の曹丕(そうひ)らに未来を託しました。

みかんの中身がない!?

左慈と曹操の出会いは、一見ごく普通のみかんから始まります。

曹操が魏王宮落成のお祝いとしてみかんの皮を剥いたところ、中身が何ひとつ入っていないのです。しかし、宴会に現れた左慈が剥くと果肉がたっぷり。これにはどういう経緯があったのでしょうか?

曹操は使者たちに江東(呉)からみかんを運ばせていましたが、彼らは移動中に「重い」と愚痴をこぼします。そんなときに左慈が使者たちの前に現れ、彼のマジックによって荷物が軽くなったのです。現実でも、重い荷物を運ぶ人たちの前に現れてほしいものですよね。

不思議に思った曹操は1頭分の羊肉や90リットル相当(5斗)の酒を与えましたが、左慈はどれもぺろりと平らげます。

曹操によって投獄されるも・・・

左慈はみかんのいたずらをするにとどまらず、「天下を劉備(玄徳)に託せ」と一言言い放ちます。劉備(玄徳)は弱き民を守るために蜀を立ち上げたリーダーで、曹操の天敵でもあります。劉備(玄徳)の人望が厚くても、天敵に天下を譲ることはできません。

左慈の発言に怒った曹操は彼を投獄しますが、いくら拷問しても全く苦しむ様子がありません。それどころか鎖が外れているし、何日も食事を与えられなくてものうのうと生きているのです。
長いこと食事をとらなくても生きていけるなんて、うらやましいですね!30年の修行と比べたら、曹操からの拷問なんて苦にならないのかも?

またしても宴会に乱入!

拷問をものともしない左慈。曹操が開いた宴会に再び乱入します。

蜀のお酒や食べ物を持ち込んだり、燃やしたはずの兵法書『孟徳新書』を取り出したりと、皮肉なことをしてきます。
さらに、左慈は誰もが注目するマジックを披露します。絵に描いた龍から肝を取り出すだけでなく、冬に椿を咲かせたり、盆に含んだ酒をかんざしで二等分したり・・・。遠方の魚を出して見せることだってできます。
こんなマジックを現代でも使えたら、瞬く間に人気者になれそうです。

そして左慈は宴会で投げた盆を1羽の鳥に変えたあと、いつの間にか消えてしまいます。
(ここでの鳥は鳩や鶴が挙げられます。)

兵法書『孟徳新書』って?

曹操は、有名な兵法書『孫子』をわかりやすく解説した本を書いたことがあります。しかし、張松(ちょうしょう)に煽られた怒りによって、この書物は処分されました。

再び捕まった左慈。しかし・・・

宴会から消えた左慈は、羊の群れの中に紛れ込みました。
曹操の部下・許チョはその羊たちを皆殺しにしますが、左慈は悲しんだ羊飼いを見てすべてを生き返らせたのです。

その後、曹操は使者たちに追跡を命じたわけですが、捕まった左慈はなんと数百人にも上ります。すべての左慈を殺したあと、死体から出た青い煙がやがて左慈の姿になりました。もはやもう何を言っているのかわかりません。
左慈が曹操の死を予言したあと、すべての死体が一斉に曹操を襲ったといいます。曹操はこれまでの一連がきっかけで病気になってしまいますが、無理もありません。

こんなマジックが現実で起きたら嫌ですよね。

さて、次は左慈が登場する創作物をご紹介します。

漫画『三国志』における左慈

「温州みかんでございます」このセリフを聞いたことはありませんか?

実はこれ、横山光輝さんが描いた漫画『三国志』が元ネタなのです。上記のセリフを言ったのは曹操の部下ですが、このみかんの中はもちろん左慈のしわざによって空っぽです。このほかにも、三国志演義で描かれた出来事をコミカルに表現しています。

この『三国志』は単行本として全60巻刊行されたほか、アニメも放映された人気作品です。現在は電子書籍として「eBookJapan」で読むこともできます。
さらに『三国志』を楽しみたい方は、LINEの公式スタンプもおすすめです。みかんを差し出す部下のスタンプもばっちり再現されています!

ゲーム『真・三國無双』の左慈

左慈は漫画だけでなく、ゲーム『真・三國無双4』や同タイトルの『7』(株式会社コーエーテクモゲームス)でも登場しています。

呪符を自由自在に操ったり、強力な魔法で翻弄したりと大暴れ。それだけではありません。軽やかに走り回れるので非常に使い勝手の良いキャラクターなのです!方術士ならではの派手な出で立ちにも注目です。
この作品も三国志演義をベースとしているため、単独で劉備(玄徳)を陰から支えている様子が描かれています。

『真・三國無双』シリーズは一騎当千をコンセプトとした爽快感バツグンのゲームです。「ゲームでも左慈を使ってみたい!」「ストレスを発散したい!」という方におすすめですよ。

書籍『三国志 ヒストリーガイド』

同じく株式会社コーエーテクモゲームスが出版した書籍『三国志 ヒストリーガイド』でも、左慈のエピソードがイラストともに掲載されています。絵に描いた龍から肝を取り出すシーンは、この書籍だけの描きおろしです。

こちらは『真・三國無双2』発売時点のキャラクターを使用して、主な戦いをチャート形式で解説しています。『真・三國無双』シリーズがきっかけで三国志に興味を持った方なら、さらにイメージしやすくなります。

劉備(玄徳)の味方?それとも・・・

ミステリアスな方術士・左慈は(曹操にとって)恐ろしい存在です。しかし、みかんを運ぶ人々の負担を和らげたり、羊飼いのために羊を生き返らせたりと、力のない者には優しさを見せてくれます。峨眉山で30年間修行することで、世俗の人々とは違う境地に至れるのかもしれませんね。

もともと三国志演義は劉備(玄徳)が主役なので、曹操は敵役として描かれています。そのため左慈は未来を劉備(玄徳)に任せるよう促していますが、劉備(玄徳)と関係があるかもわからぬままです。

創作物では、漫画『三国志』やゲーム『真・三國無双』シリーズで登場しています。それぞれの作品で異なる魅力がありますよ。

関連する投稿


三国志・毒舌家として有名な禰衡(でいこう)が高評価した二人とは?

三国志・毒舌家として有名な禰衡(でいこう)が高評価した二人とは?

三国志の登場人物の中でもっとも「口の悪い」ことで有名な「禰衡(でいこう)」と、その禰衡に高評価されていた二人についてお伝えします。


【自虐ネタ】三国志を好きすぎて恥をかいた体験談

【自虐ネタ】三国志を好きすぎて恥をかいた体験談

筆者は幼少期から歴史が好きで、特に三国志や日本の戦国時代には人並み以上に傾倒しました。好きだからこそ今もこうして三国志に関する記事を執筆させていただいているのですが、三国志が好きだからこその失敗や恥をかいた経験もあります。本記事ではそれを体験談という形式で発信したいと思います。


三国志・曹操の恋愛事情は?三国志でもっとも良妻である卞夫人

三国志・曹操の恋愛事情は?三国志でもっとも良妻である卞夫人

曹操の妻として曹丕や曹植を産んだ「卞夫人」。彼女と、彼女以外で曹操の正室となった女性を紹介していきます。


曹操(孟徳)の敗北 三国志の覇者曹操も結構負けてる

曹操(孟徳)の敗北 三国志の覇者曹操も結構負けてる

中国が魏、呉、蜀の三国に分かれた時代。統一には至らなかったものの、国土の3分の2を支配した曹操(孟徳)は実質的には三国志の覇者と言ってもいいでしょう。そんな曹操(孟徳)も連戦連勝ではなく、戦に敗れ命からがら助かる…という経験を何度もしています。


世界史のテストに三国志が出てきたら?重要人物ベスト8

世界史のテストに三国志が出てきたら?重要人物ベスト8

もし、世界史のテストに三国志の時代が出てきたとしたら問題になる可能性が高い人物は誰?三国志演義で人気のキャラクターが歴史的に見て重要人物とは限りません。覚えておいたほうが良いのは一体誰なのでしょう。


最新の投稿


君主を間違えてしまった天才的軍師【沮授】

君主を間違えてしまった天才的軍師【沮授】

三国志の智謀に優れた軍師的存在として郭嘉や諸葛亮、周瑜といった名将たちが揃いますが、袁紹の陣営にいた沮授もその例外ではありません。もしも袁紹が曹操や劉備(玄徳)のように聞き分けが良く、配下の進言を取り入れるような名君だったなら、実は天下を支配していたのではないかといわれています。その筆頭軍師だった沮授をみていきます。


三国志時代 皇帝の結婚

三国志時代 皇帝の結婚

結婚は、男女共通で人生の大きなターニングポイントです。三国志でもストーリー上で武将や皇帝の結婚に関する記述がちらほらと見られ、大国の君主たる皇帝の結婚はそれはそれは盛大に執り行われました。本記事では、皇帝の結婚にまつわるお話をさせていただきます。


三国志・毒舌家として有名な禰衡(でいこう)が高評価した二人とは?

三国志・毒舌家として有名な禰衡(でいこう)が高評価した二人とは?

三国志の登場人物の中でもっとも「口の悪い」ことで有名な「禰衡(でいこう)」と、その禰衡に高評価されていた二人についてお伝えします。


【自虐ネタ】三国志を好きすぎて恥をかいた体験談

【自虐ネタ】三国志を好きすぎて恥をかいた体験談

筆者は幼少期から歴史が好きで、特に三国志や日本の戦国時代には人並み以上に傾倒しました。好きだからこそ今もこうして三国志に関する記事を執筆させていただいているのですが、三国志が好きだからこその失敗や恥をかいた経験もあります。本記事ではそれを体験談という形式で発信したいと思います。


三国志・曹操の恋愛事情は?三国志でもっとも良妻である卞夫人

三国志・曹操の恋愛事情は?三国志でもっとも良妻である卞夫人

曹操の妻として曹丕や曹植を産んだ「卞夫人」。彼女と、彼女以外で曹操の正室となった女性を紹介していきます。


https://sangokushirs.com/articles/196