思わず「え~!」と言ってしまう三国志エピソード~序盤編!~

思わず「え~!」と言ってしまう三国志エピソード~序盤編!~

三国志と言ったら激しいバトルや貧しい生活常に生死と向き合っている過酷な時代背景というイメージがある。しかしその中にも「え~?!」とつぶやいてしまうシーンもある。ここでは吉川英治の三国志を基にそんなエピソードをまとめてみました。


劉備(玄徳)、黄巾賊のお供をする

三国志の主役と言っても過言ではない劉備(玄徳)は清廉潔白というイメージが強いかもしれません。しかし序盤は特に何も持たないどこにでもいるような青年という感じで描かれています。序盤で母に茶を土産として持って帰ろうとした際、つい黄巾賊の悪口をつぶやいてしまいます。
それを運悪く黄巾賊の馬元義(ばげんぎ)に見つかってしまったのです。劉備(玄徳)は敵が少ないのをいいことに一時は「斬ってかかろうか」と思うのですが、「ここでこいつらを斬ったところで世の中が良くなるわけではない。それどころか自分が死んでしまう恐れがある」とのことで、「特にあなたたちの悪口を言っていたわけではなく、道が怖いから怖さを紛らわす為になんとなくつぶやいていただけです」といい難を逃れました。
さらにその後彼らの荷物持ちになってしまうのです。序盤過ぎてあまり印象に残らないシーンですが、長くはないにせよ黄巾賊のお供をしてしまうというなんとも情けない、そして機転を利かしたシーンには驚きです。

黄巾賊の存在があやふや

黄巾賊の存在そのものが「え~!」という感じです。というのも彼らは張角の元、政府に対して反旗を翻すことを目的として作られた軍です。黄色い頭巾をかぶることから黄巾賊と呼ばれる訳ですが、政府の堕落さに不満が募ったいわゆる「いい奴ら」なのかと思いきや、彼らが通った後には食料が無くなる(簒奪してしまうため)というまさに「賊」だったのです。
そのため「政府が嫌だから彼らについていこう」という気にさせられないなんともあやふやな存在なのです。日本で言うと島原の乱を起こした天草四郎が鬼畜だったという所でしょうか(彼にはそういった悪い噂はあまり流れませんが)

劉備(玄徳)の母、息子の土産を捨てる

吉川英治の三国志新装版では最初に劉備(玄徳)がお茶を買うシーンから始まります。当時のお茶はものすごく高価なもので「死ぬまでに一度飲んでみたい」というくらいの物でした。
そんな高価なお茶を劉備(玄徳)は母にお土産として持っていくのです。そしてそのお土産を目の当りにした母は「なんて孝行息子を授かったんだ」と言うのですが、いざ飲もうという時「このバカ息子が」と言ってお茶を投げ捨ててしまうのです。
その理由は命を助けてもらった張飛に家宝ともいえる剣を渡してしまったからです。「命助けてくれたんだからいいじゃん!」となるのが普通ですが、かなり怒られてしまいました。このシーンは「劉備(玄徳)の母親鬼畜じゃね?」と思う瞬間だったのです。
その他にも劉備(玄徳)の母親はちょくちょく出てきますがよく「え~?」って思わされますよ!

鶏を生で食べようとする張飛

張飛が関羽に言い負かされて飲み屋に一人で入るシーンがあります。そこで酒を飲むわけですが、店主との会話が面白いのでニュアンスをご紹介します。
(足元に鶏がいるので)
「こいつは俺に食われたがっている」
「では毛をむしって丸焼揚げにしましょう」
「生でやろうと思っていたんだが」
「生で食べたら腹に虫が湧きますよ」
「馬鹿をいえ、鶏に寄生虫は棲んでおらん(でも揚げてくれたらありがたい)」
「お代を払えば揚げますよ」
「お代はない」
「冗談でしょ」
「本当だ。お代は関羽のところからもらって来い」
まるでコントのようなやり取りに張飛の横柄ぶりがうかがえる「え~」と思うシーンです。

通りすがりの者に馬をもらう劉備(玄徳)軍

劉備(玄徳)が関羽、張飛と共に義勇軍を結成した時のことです。お金も武器も馬もない劉備達の前に張世平というものが通りがかります。張世平は馬を50頭ばかり引き連れていたのですが、関羽が、「我々はこういうもので、世をただそうとしている。だから馬をくれんか?」というのです。
いやいや無茶な注文だろと思いきやなんと張世平は「世のためになるなら」と言って関羽に50頭もの馬を挙げてしまうのです。しかもお金まで渡して「えらくなったら利息を付けて返してくれ」と言って引き揚げてしまうのでした。
今でいう住まいの無いの少年に家と食料を無償であげて「ボクシングの世界チャンピオンになったら返してくれたまえ」と言っているようなものです。こんなとんでもない話がふとわいてくるのが三国志の面白いところです。

張飛の暴れぶり慣れ切った関羽

役人が義兄の劉備(玄徳)に対して汚名を塗り付けてしまったということで張飛はブチ切れてしまいます。そしていきなり役人に対して張飛は暴行を加えます。戦場に行ってもトップクラスの張飛からしてみれば役人なんて子供のようなものです。泣いて「やめてくれ、なんでも言う通りにしますから」という役人に対して「その手にはのらん」と言って半殺しにしてしまうほどです。
そしてそこに関羽が現れるのですが面白いのはここからです。
特に慌てる様子もなく「ちぇ、張飛の奴また持病を起こしたか」といって舌打ちして止めにかかります。
関羽が止めなければ役人は死んでいたというのにこの落ち着き様で、張飛の暴れぶりに慣れ切った関羽に「え~」と言ってしまいます。

劉備(玄徳)達をかくまう太っ腹すぎる劉恢(りゅうかい)

張飛が役人を半殺しにするという大暴れによりお尋ね者になってしまった劉備(玄徳)達ですが、張飛の知り合いである地主の劉恢の元に匿ってもらうよう尋ねます。そして劉恢は酒ぐらいしかないけど1年でも2年でも遊んでくださいと言います。
1日や2日なら分かりますが、1年2年ってなんだよ!と思わず突っ込みたくなるシーンです。しかも張飛は長子に乗って「酒さえあれば何年でもいけますよ!」と同調してしまうのです。張飛は自分が役人を暴行したことでお尋ね者となっているという自覚が全く感じられず、「大丈夫か?」という感じでしょう。劉恢は劉恢で、なんでそんな太っ腹なんだよ!と思わされます。張飛と劉恢の人柄に思わず「え~?」と思ってしまうことでしょう!

まとめ

三国志の序盤、劉備(玄徳)はところどころで大物の片りんを見せるものの、何者でもないような状態です。そんな小隊のためより関羽と張飛の存在が大きく描き出されています。特に張飛の短気っぷりには毎度驚かされます。
その他にも「おいおいおい」とつい突っ込みたくなるところが多いです。吉川英治の三国志は歴史小説と言えどこういった表現がうまいので堅苦しくなくすらすら読めてしまいます!

関連する投稿


油断大敵。英雄と言えども油断によって失敗した経験あり

油断大敵。英雄と言えども油断によって失敗した経験あり

戦場では気力が充実した者同士が戦い、策を講じ、運に左右されて勝敗が決まることばかりではありません。自らの緩み、怠慢が原因で「自滅」する場合もあります。「内から敗れる時が真の敗北」などとも言われますが、三国志の戦いの中で「油断」によって戦いの勝敗が決した場面を考えてみます。


三国志・この激突が見たい!仮想軍団最強対決!

三国志・この激突が見たい!仮想軍団最強対決!

星の数ほどいる三国志の英雄たちの中から10人ずつを選出して最強軍団を2チーム構成してみました。皆さんの予想とぜひ比較してみてください。


三国志で活躍した女性たち 労いや養育の面で女性は長けている

三国志で活躍した女性たち 労いや養育の面で女性は長けている

戦場での攻防や過酷な行軍が取り沙汰されることの多い三国志。武将、文官など多くの男性が登場しますが、そんな男性たちに対し表となり裏となって活躍する女性の活躍も見逃せません。時の権力者の立場を一変させてしまうような場面もあるのです。


パズドラなど、三国志とは無関係のスマホゲームに登場した名将たち

パズドラなど、三国志とは無関係のスマホゲームに登場した名将たち

呂布をはじめとした武将たちは、三国志とは無関係のゲームに登場することがあります。パズドラなど知名度の高いアプリでは、どんなイベントが行われたのでしょうか?作品ごとの役割も知ることで、手に入れたくなるかもしれません。


日本の戦国時代にタイムスリップしても本当に通用する武将は?

日本の戦国時代にタイムスリップしても本当に通用する武将は?

三国志の武将たちと日本の戦国武将が共に戦うアクションゲームが人気を博していますが、三国志ファンならば戦国時代も好きな人も多いのは確かでしょう。単純に武将としての能力でいえば、比較して想像するだけでも楽しいものです。どんな武将が戦国時代に生き抜けたのか興味が湧くので、ここで考えてみましょう。


最新の投稿


油断大敵。英雄と言えども油断によって失敗した経験あり

油断大敵。英雄と言えども油断によって失敗した経験あり

戦場では気力が充実した者同士が戦い、策を講じ、運に左右されて勝敗が決まることばかりではありません。自らの緩み、怠慢が原因で「自滅」する場合もあります。「内から敗れる時が真の敗北」などとも言われますが、三国志の戦いの中で「油断」によって戦いの勝敗が決した場面を考えてみます。


三国志・この激突が見たい!仮想軍団最強対決!

三国志・この激突が見たい!仮想軍団最強対決!

星の数ほどいる三国志の英雄たちの中から10人ずつを選出して最強軍団を2チーム構成してみました。皆さんの予想とぜひ比較してみてください。


三国志・南蛮で最強は誰なのか!?トップ5を決定

三国志・南蛮で最強は誰なのか!?トップ5を決定

三国志の英雄・諸葛亮が颯爽と活躍するのが蜀の南征です。孟獲を筆頭として個性豊かな南蛮の武将が現れ、蜀軍を苦しめますが、諸葛亮の智謀によって敗北していきます。今回はそんな南蛮武将の中で最強は誰なのか選んでいきましょう。


三国時代に隠れた「後漢皇族の氷河期」をちょっとラフにご紹介

三国時代に隠れた「後漢皇族の氷河期」をちょっとラフにご紹介

三国志は、後漢皇族のいい加減な政治によって始まったものです。しかし、その皇帝たちの出来事は陰に隠れがち。黄巾の乱から陽人戦の間に起きた「十常侍の乱」以降も、どうなったのでしょうか?「黄巾の乱」で活躍した何進とその妹は、なぜ十常侍の乱に関わっているのでしょうか?また、黄巾の乱は三国志演義ベースで紹介しています。


三国志・日本で一大ブームを引き起こした漢詩の原点は曹操にあり

三国志・日本で一大ブームを引き起こした漢詩の原点は曹操にあり

仏教文化が主流となっていた日本の文化に大きな変革をもたらすことになる「漢詩」。平安時代には朝廷を巻きこむような一大ブームとなります。その原点となるのが「曹操」の存在なのです。


https://sangokushirs.com/articles/196