パリピ孔明 第3話 調虎離山(ちょうこりざん)の成功

パリピ孔明 第3話 調虎離山(ちょうこりざん)の成功

今回は、大型音楽フェスへの出演条件のSNS「10万いいね!」を得るための準備の話。「天なりて、時なりて、人ならざるは、これ、人に逆らうと謂う」にならい、強力なラッパーを仲間にする調虎離山(ちょうこりざん)の計略を行う。


大型音楽フェスに出演するために!

大型音楽フェスに出演するために!

大型音楽フェスに出演するために!

決めた!サマーソニアに出る!と決意した英子だが!?
出演条件のSNS「10万いいね!」獲得に自信が持てないようだ!

この時、孔明は、
「天なりて、時なりて、人ならざるは、これ、人に逆らうと謂う」
つまりは 新しい人材が必要かと・・・孔明は、強力なラッパーを仲間にする計略を明かしました。

「天なりて、時なりて、人ならざるは、これ、人に逆らうと謂う」は、諸葛亮孔明が書いたとされる『将苑』の一説です。
※現在は、孔明が書いたものではない説が有力です。

意味は、天の運勢、時の流れ、そして人の力、この3つが揃わないと、大きなことを成し遂げることはできないということです。

「天」とは、天候や自然災害などの自然の力、「時」とは、歴史の流れや世相などの社会情勢・トレンド、「人」とは、リーダーや指導者、そしてその周囲の人々の力を表しています。この3つが揃うと、大きな目標を達成するための好機が訪れるということです。

例えば、ナポレオンはフランス革命という好機に乗って、フランスを統一し、ヨーロッパの覇権を握りました。
また、毛沢東は中国共産党を率いて、中国革命を成功させ、中国を共産主義国家にしました。

歴史上の偉人たちは、いずれも天の運勢、時の流れ、そして人の力、この3つが揃って、大きなことを成し遂げています。

ただ、強力なラッパーを仲間にする計略が成功しても、それだけでは、出演条件のSNS「10万いいね!」獲得は出来ないでしょう!と孔明はつづけた。

英子に何が必要なのか?と聞かれると、

英子には足りないものがある。10万いいねを得るには必要不可欠。ただ、それは自分の力で見つけようと、孔明は突き放した。

そこで、英子は、前話で対決した ミアに 自分の足りないものを聞きに行った。すると、ミアにご飯に誘われる。英子の先輩シンガーとしての風格とぶっきらぼうな優しさが垣間見えたシーンだ!。そして、「本気で食べてく気あるなら、いつまでもカバー歌ってちゃ駄目なんじゃない?」と助言してくれた。これがヒントになる。

賢人を敬うは、かくのごとくせよ

賢人を敬うは、かくのごとくせよ

賢人を敬うは、かくのごとくせよ

ラッパーKABAが、(孔明の作戦により)洗濯機が壊れたため、コインランドリーへ行き、待ち伏せた孔明と出会うシーンだ。
洗濯が終わるのを待つKABAに、孔明の存在を気付かせる。

「賢人を敬うは、かくのごとくせよ」というのに、私は賢人(KABA)の 気をそらしてしまった。ということで接点を持つ。

「賢人を敬うは、かくのごとくせよ」は、孔明が語った故事です。劉備と孔明の「三顧の礼(さんこのれい)」と共に広く知られています。

過去の例として、文王と太公望の出会いの話をする。

太公望は、文王が訪ねてきたことに気づきながらも、釣りを続けました。文王は、太公望が釣りを続けていることを知り、日が暮れるまで釣りの邪魔をせずに立っていました。

太公望は、文王の謙虚な姿勢に心を打たれ、文王に仕えることを決意しました。そして、太公望は、文王の軍師として、周の統一に貢献しました。

この逸話は、文王の謙虚さと太公望の器の大きさを示すものとして、中国の歴史の中で語り継がれています。現代においても、大切な教えを与えてくれます。それは、相手を尊重し、相手のペースに合わせることが、信頼関係を築く上で大切であるということです。

この時、コインランドリーで、KABEに孔明がぶつけたラップ♪

"蒼天は円蓋(車の傘)の如く"
- 青い空は車の傘のように広大である。天は全てを覆っている。
"陸地は棋局に似たり"
- 陸地(世界)はチェスボードのようで、様々な戦略や計画が繰り広げられる場所である。
"世人は黒白に分ありて 往来して栄辱を争えり"
- 人々は善と悪、あるいは成功と失敗に分かれ、栄光と恥辱のために争っている。
"栄うる者は自ずから安々に 辱めらるる者は定めて碌々たらん"
- 成功した人々は安心して生活しており、失敗した人々は不幸で満たされる運命にある。
"南陽に隠居あり 高眠して臥せども足かず"
- 南陽には隠者がおり、彼は高い地位にあるが、それに満足していない。
これは諸葛亮がかつて隠居していたことを指しています。

農夫が畑を耕しながら歌った歌とのことです。
その後、「東京渋谷にKABEあり」と続けていますね。KABEを高く評価して迎えにいくことを示唆しています。

現在、KABEは、過度のストレスによる胃腸炎を患っていて、プレッシャーで、お腹を壊してしまいます。

調虎離山(ちょうこりざん)

調虎離山(ちょうこりざん)

調虎離山(ちょうこりざん)

なかなか KABEを仲間に引き込めない状況で、BBラウンジでのオーナーとの会話

「本物の孔明も馬超を味方に引き入れるのになかなか苦労したからな」といったオーナーに、「あの時は、楊松(ようしょう)を買収したりなかなか手がかかりました」と返す孔明。

説明しよう。
馬超は、曹操に父を殺され、弔い合戦を挑むも敗れた。
楊松は、孔明から賄賂をもらい、馬超の悪口を張魯に吹き込んだ。
馬超は、張魯の下にいられなくなり、劉備の配下となった。
楊松は、賄賂をもらい主人を不利にする点を嫌われ、曹操に斬られた。

優秀な馬超を仲間にしたく、賄賂を使って魏に征服され降伏した馬超の悪口を流し、その場にも居れなくして、自分達の陣営に取り込むことに成功しました。

これを、調虎離山(ちょうこりざん)の計略といい、兵法三十六計の第十五計にあたる戦術です。
意味は「虎をおびき出して、山から離す」です。
この計略は、敵を自分の思うように動かすために、敵の欲望や弱点を巧みに利用します。敵を誘い出して、自らの思うところに追い込み、弱体化させた上で、これを攻略するというものです。
調虎離山の典型的な例として、小説『三国志演義』における上記の馬超の奪取が挙げられます。

調虎離山の成功例としては、他にも以下のようなものが挙げられます。

史実における項羽の范増の説得による劉邦の降伏
第二次世界大戦におけるアメリカによる日本軍の誘い出しによる硫黄島の戦い
赤壁の戦い: 孫権と劉備の連合軍は曹操を長江の沿岸、すなわち彼の軍隊にとって不利な地形に引きずり込みました。
フビライ・ハンの日本侵攻: 日本側は守りの姿勢を取りながら敵を自国の土地に引きずり込みました。
ノルマンディー上陸作戦: 第二次世界大戦中、連合国軍はナチス・ドイツをフランスのノルマンディーに引きずり込み、ドイツ軍を分散させて本土に上陸しました。この作戦は最終的にドイツの敗北へと繋がる重要な転換点となりました。

孔明は三国志で巧みな人心掌握の技術を持っていたと言われています。
例えば、優秀な姜維の取り込みもそうです。

姜維は、元々、魏に仕えていたが地位が低かった背景や潜在能力を詳しく知り、彼の才能を高く評価して尊敬の意を示しました。
魏での評価が低かったことを利用し、蜀でのより高い地位と機会を提示して彼を引き寄せ、信頼関係を築き上げることで姜維を蜀に取り込みました。

オリジナル曲(差別化、個性)

オリジナル曲(差別化、個性)

オリジナル曲(差別化、個性)

本物の将とは 仲間の力を能力以上に引き出すことが出来ます。
そして英子さんの歌には その力がある。と孔明が言うと、英子は、オリジナル曲が出来たことを知らせ、孔明は、今すぐ聞きたいという。

孔明は、英子の歌で 劉備と関羽 張飛を回想し感動した後、こう言った。
孔明が冷たくしていたのは頼りすぎを懸念してのこと。自分の力で夢をなしとげようとする心を持って欲しかった。・・・

典韋(てんい)と許褚(きょちょ)の一騎打ち

典韋(てんい)と許褚(きょちょ)の一騎打ち

典韋(てんい)と許褚(きょちょ)の一騎打ち

ラップバトル当日に、KABE太人のバイト先に手を回し、KABEのバイトを休みにして、別のバイトの子を準備する。しかたなく、KABEがアパートに帰ると、(事前に依頼していた通り)赤兎馬カンフーが、BBラウンジでのMCバトルをけしかける。

KABEは、胃の調子が悪くなり、トイレを探すが、孔明が、ことごとくトイレを閉鎖しBBラウンジまで誘導してしまう。

BBラウンジでは、三国志時代の 論破お化け 諸葛孔明は、待ち構える。

オーナー曰く、「さながら、典韋(てんい)と許褚(きょちょ)の一騎打ち!だな。」

典韋と許褚の一騎打ちは、小説『三国志演義』に登場するエピソードです。
曹操軍が黄巾賊の残党を討つ中、黄巾賊の頭領・何儀を捕らえるため、典韋が派遣されました。しかし、何儀は逃げ出し、村人の許褚に助けられました。許褚は、何儀を連れ去ろうとし、典韋は引き渡しを拒否されたため、一騎打ちが始まりました。

典韋は、身長9尺(約2.7メートル)、体重300斤(約136キログラム)の巨漢で、力持ちとして知られていました。許褚も、身長8尺(約2.4メートル)、体重280斤(約127キログラム)の巨漢で、怪力と勇猛さで知られる武将でした。

両者は、一昼夜にわたって戦い続けましたが、決着がつきませんでした。曹操は、この二人の戦いで、典韋にわざと負けるように言い含め、許褚を生け捕りにしました。

生け捕りにした許褚の縄をほどき、開放した曹操を信頼し、許褚は部下として迎えられ、その後は曹操の親衛隊長として長く仕えました。

典韋と許褚の一騎打ちは、二人の怪力と勇猛さを示すエピソードとして知られています。また、曹操が二人の戦いを見たくなり、典韋にわざと負けるように言い含めたという話は、曹操の機転を示すエピソードとしても知られています。

とうとう、虎が罠にかかった。

ドリンクに胃の薬を入れて、KABAもカウンターで落ち着くことができた。KABEは、全て仕組まれていることは、わかっていない。

MCバトルのブレイクタイムは、英子のショーケースだった。
この時間で歌った曲に、KABEが感動し学生時代の回想モードとなる。あの時代、ただの普通が ラップで変わったことを思い出す歌だ。
ひとこと「 あの子の歌 重すぎ 」 風が吹いた。

とうとう、スペシャルマッチで 現在のKABEと孔明の対決が始まる。

結果、孔明の 調虎離山(ちょうこりざん)は、成功しているのだ! つづく・・・


この記事の三国志ライター

古代の雑学を発信

関連するキーワード


調虎離山

最新の投稿


パリピ孔明 第10話 関羽の千里行

ついに大型音楽フェス・サマーソニア当日を迎えた最終話。 英子は、BBラウンジから会場に向かうが、交通トラブルで会場への道が塞がれ、英子はステージにたどり着けなくなってしまう。これらは前園ケイジによる数々の妨害だった。 その頃、ステージではケイジのライブが始まろうとしていた。


パリピ孔明 第9話 東南の風 イースト・サウス

BBラウンジのオーナー・小林に恨みを持つケイジは、英子を大手レーベルに移籍させようと画策している。 孔明と英子は、ケイジの妨害を阻止するため、彼と対決することに。 勝負の鍵を握るのは、活動休止したロックバンド、イースト・サウスだった。


パリピ孔明 第8話 五丈原の戦い

英子の原点と、小林の過去が明かになる。英子は、幼い頃から歌が好きだったが、母親に反対され、歌うことを諦めかけたことがあった。 小林は、かつてバンドを組んでおり、ギターを弾いていたが、ある事件をきっかけに、ギターから足を洗っていた。 英子の歌声に心を動かされ、再びギターを手に取ることに。


パリピ孔明 第7話 祖茂の身代わり

英子は、デビュー曲「DREAMER」でサマーソニアの出場権を獲得し、夢を叶える一歩を踏み出した。 しかし、サマーソニアで歌う新曲を用意しなければならず、孔明は英子とKABE太人に、新たな試練を与える。そして、もうひとつの罠も待ち構えていた!?


パリピ孔明 第6話 草船借箭反転の計

英子は、超大型フェス・サマーソニアの出場権を賭けて、SNSでの10万イイネ企画に参加ししているが、ライバルである3人組アイドルユニット「AZALEA(アザリエ)」も同じ企画に参加している。 英子の歌で心を奪えるか? 英子のSNSへのイイネの数は?


最近話題のキーワード

三国志の魅力と登場人物で話題のキーワード


故事 三顧の礼 泣いて馬謖を斬る 苦肉の策(苦肉計) 破竹の勢い