パリピ孔明 第10話 関羽の千里行

パリピ孔明 第10話 関羽の千里行

ついに大型音楽フェス・サマーソニア当日を迎えた最終話。
英子は、BBラウンジから会場に向かうが、交通トラブルで会場への道が塞がれ、英子はステージにたどり着けなくなってしまう。これらは前園ケイジによる数々の妨害だった。
その頃、ステージではケイジのライブが始まろうとしていた。


超大型音楽フェス・サマーソニア前日。

前園ケイジの事務所ではケイジのゴーストライターをするイースト・サウスの南房と東山が新曲を披露していた。
イースト・サウスのケイジ向けの曲が間に合った。
合格だー!ケイジが叫ぶ。

そして、ケイジは2人に新たな仲間としてKABE太人を紹介した。
だが南房は、KABEに「ここだけは辞めとけ」と告げる。

一方、英子はケイジがオーナーコバへの逆恨みでBBラウンジを潰そうとしていることを聞く。
孔明は「明日のサマーソニアのことだけを考えてください」と英子に伝える。

そして、イースト・サウスの2人は、孔明のもとを訪ねていた。
孔明は2人に「英子と共にサマーソニアのステージに立ってほしい」とメールを送っていたのだ。

目まぐるしい駆け引きから、どんな展開が待っているのか!?


そして迎えたサマーソニア当日。コバは英子を会場まで車で送ろうとするが、通行止めなどのトラブルが発生し、身動きが取れなくなる。

ケイジの妨害だ。すべて仕組まれている。
ケイジが金でタクシーも抑えたので、タクシーも捕まらない。
足止め状態だった。

そこへ猛スピードでやってきた1台のバイク。
乗っていたのはミア西表だった。英子はミアの後ろに乗り、会場へと着いた。

しかし、会場に到着したはずの英子が、またしても連れ去られて姿を消してしまう。
これは、誰の作戦なのか?

この状況をコバが言った。
「現在、劉備の下へ向かう関羽の千里行のような状況だ」

関羽の千里行

関羽の千里行

関羽の千里行

孔明が蜀に加わるよりも前の話。
劉備は、曹操(そうそう)に敗れてしまい、劉備の妻子を守っていた関羽は、条件付きで曹操に降伏しました。
条件付きというのは、劉備が生きていたら、劉備のもとに帰るという約束でした。

しばらくして、劉備が生きていることがわかりました。
劉備の居所が分かった関羽は、敵の武将を斬ってみせて曹操への恩返しをしてから、劉備のもとに戻ることにします。

曹操は、その関羽への追っ手を止めたと言われていますが、小説『三国志演義』では、部下が暴走します。

関羽は、5つの関所を通るたびに、敵に遮られたり、策にかけられそうになったりしますが、6人の敵将を斬り、劉備の下に馳せ参じたのです。

この「五関に六将を斬る」エピソードを、「関羽の千里行」とも呼びます。

英子のサマーソニア会場への道を、次々と塞ぐ仕掛けを、まさに千里行状態と言ったのです。

続くオーナーコバの言葉に「関羽みたいに全員ぶった斬っちまえば良かったなあ」も、このエピソードを受けたセリフです。

長坂坡の戦いと趙雲

長坂坡の戦いと趙雲

長坂坡の戦いと趙雲

ミアがバイクで後ろに乗せ、会場へと向かった時のオーナーコバの言葉。「ミア、お前、張遼かと思ってたが、まさかの趙雲だったか、あとは頼んだ。」

この話は、華北を統一した曹操が、荊州にいた劉備のもとへ攻め込んできて、勝てないと判断した劉備は、敗走することになるのですが、劉備を慕う民たちもついてきたため、劉備軍の行軍速度は遅く、曹操軍に追いつかれてしまいました。

その長坂坡の戦い(ちょうはんはのたたかい)と呼ばれる乱戦の中、劉備の妻子の所在が分からなくなるのです。

そこで登場したのが趙雲。曹操軍の中へ単騎で駆けていき、劉備の息子・阿斗を救ったのです。

話を戻す。

孔明は、イースト・サウスをBBラウンジに呼び、イースト・サウスの家族とオンライン電話をする。
その際、イースト・サウスが、ケイジのゴーストライターとして作った曲が大好きとのコメントをイースト・サウスの目の前で言わせた。
イースト・サウスの南房は、これに怒り叫び飛び出していった。
そして、イースト・サウスに英子とのコラボを促す。うまくいった。
東南の風が吹いた!!
9話でも紹介した、赤壁の戦いでの火計での東南の風

孔明は、ヘリで、イースト・サウスを会場に送った。
AZEREAも会場に来ている。

結局、英子は会場に着かなかった。
ケイジの計略に、孔明が上乗せした計略だったのだ。
英子は、バスに残されたままだった。

英子の代わりにケイジが出演することになる。
そして、KABEとケイジのフリースタイルも始まった。
途中からフリースタイルが思わぬ展開に!

実は、KABEは、スパイだったのだ!

「周瑜、苦肉の計、孔明もKABEに、きついことを言っていた。」

兵は詭道なり

兵は詭道なり

兵は詭道なり

戦いは、所詮騙し合いで、いろいろの謀りごとを凝らして、敵の目を欺き、状況いかんでは当初の作戦を変えることによって勝利を収めることができるものだという意味です。

「孫子の兵法」に出てくる、間者(かんじゃ)は、スパイのことで、「苦肉の計(くにくのけい)」も、敵陣営を信じさせるための、第9話の孔明とKABEケンカだったわけです。


さて、ケイジは、イースト・サウスにゴーストライターさせていたことをKABEとのラップバトルでバラされてしまう。

そして、バスに残されたままの英子は、実は、孔明の策略だった!
赤兎馬カンフーが敵の運転手を罠にハメ、英子のファンが、バスを運転していたのだ。
そして、英子の穴埋めをケイジに行わせて、KABEとのバトルをさせたのだった。

もちろん、ヘリでイースト・サウスを送っているということは、英子とのコラボが決まったということ。
全てが整った。

天下泰平の計 INサマーソニア 総仕上げたった。

タイムカプセル! イースト・サウス、KABEも加わる。
全力、クライマックス

マリア登場。「いい子育てたね。・・・」
コバ:「マリアに何度も救われた。本当に感謝している。」

四面楚歌

四面楚歌

四面楚歌

「四面楚歌」は、周囲がすべて敵や反対者で、まったく孤立して、助けや味方がいないことを意味します。

劣勢の楚軍は防塁に籠り、漢軍はこれを幾重にも包囲した。
夜、楚軍の項羽は四方の漢の陣から故郷の楚の歌が聞こえてくるのを聞いて、「漢軍は既に楚を占領したのか、外の敵に楚の人間のなんと多いことか」と驚き嘆いた話から来ています。

ケイジ:
全て失った。
孔明:
命があっただけでも感謝すべき
あなたは、まだ生きている。すべてを失ってなどいない
あなたの歌には、心があった。
やり方を間違えたようですね。

学ばなければ、才能を高めることはできず
志がなければ、学ぶことはできない

ケイジ:
「学ばなければ、才能を高めることはできず、志がなければ、学ぶことができない」「それ、誰の言葉?」
孔明:
「諸葛孔明、私の言葉です」
※孔明が子孫に残した「誡子書」にある言葉。

これで終わりではなく、これからです。
マリアも一緒に歌う

孔明との別れ

孔明との別れ

孔明との別れ

天下泰平の計が済み、「我が君が、迎えに来られました」と孔明が言う。
コバは、「先帝のお側に参りまするってか」と悲しみを込めて言う。

コバは、行かせたくないために
「お前、徐庶状況なのか? 母親を人質に取られてるのか?」
と続けた。そんなハズはないのだが、悲しみを皮肉っている。

徐庶とは、劉備に先に仕えていて、劉備に孔明を紹介した先輩軍師です。
『三国志演義』で、徐庶は、母を曹操に人質に取られてしまい、後ろ髪を引かれながら、劉備のもとを去ることになりました。
徐庶は、自分の後任として、孔明を推薦し、三顧の礼に繋がります。

コバは、さらに、「兄の諸葛瑾がお前を呉に誘った時だって、一切なびかなかったじゃないか」と言って引き留める。

が、どうしようもない運命と悟り、「後のことは心配すんな」といった。

最後の最後に、マリアと英子の歌の最中での別れが訪れることに。

英子、「私と一緒にいてくれて本当にありがとう。」
孔明、「こんなことで満足してはいけません。あなたの歌には、万を超える民草を一つにまとめる力があるのです。いずれは日本を統一、そして、世界に討って出るのです」
英子、「私もがんばるから軍師としてずっと支えてね」
孔明、「英子さんひとつお願いがあります。私のために歌ってくれませんか?」

英子が孔明のために歌う。
その時、流れ星が・・・

まさかの

まさかの

まさかの

流れ星が流れて、孔明がオーナーに打ち明けていたお迎えの時がきてしまったのかと思いきや、まさかの「あっ いた」と孔明が去っていないで見つかるというオチ!

面白かった。パリピ孔明は、笑いあり、涙ありの、心温まる作品でした。
三国志好きは、2度楽しめた番組でしたね。
ありがとうございました。





この記事の三国志ライター

古代の雑学を発信

最新の投稿


赤兎馬とは? 三国志初心者必見 三国志における名馬の物語

赤兎馬とは、三国志演義などの創作に登場する伝説の名馬で、実際の存在については確証がなく、アハルテケ種がモデルとされています。体が大きく、董卓、関羽、呂布など、三国時代の最強の武将を乗せて戦場を駆け抜けました。


春秋戦国時代 年表 キングダム 秦の始皇帝の時代の始まり

キングダム 大将軍の帰還 始まりますね。楽しみにしていました。 今回は、秦の始皇帝「嬴政」が、中華統一を果たす流れについて記述しようと思います。映画、キングダムのキャストの性格とは若干違うかもしれませんが、参考程度に読んでみてください。


パリピ孔明 第9話 東南の風 イースト・サウス

BBラウンジのオーナー・小林に恨みを持つケイジは、英子を大手レーベルに移籍させようと画策している。 孔明と英子は、ケイジの妨害を阻止するため、彼と対決することに。 勝負の鍵を握るのは、活動休止したロックバンド、イースト・サウスだった。


パリピ孔明 第8話 五丈原の戦い

英子の原点と、小林の過去が明かになる。英子は、幼い頃から歌が好きだったが、母親に反対され、歌うことを諦めかけたことがあった。 小林は、かつてバンドを組んでおり、ギターを弾いていたが、ある事件をきっかけに、ギターから足を洗っていた。 英子の歌声に心を動かされ、再びギターを手に取ることに。


パリピ孔明 第7話 祖茂の身代わり

英子は、デビュー曲「DREAMER」でサマーソニアの出場権を獲得し、夢を叶える一歩を踏み出した。 しかし、サマーソニアで歌う新曲を用意しなければならず、孔明は英子とKABE太人に、新たな試練を与える。そして、もうひとつの罠も待ち構えていた!?