三国志・10人を選んで最弱な国を築いてみよう

三国志・10人を選んで最弱な国を築いてみよう

三国志に登場する「君主」・「軍師」・「大将軍」・「丞相」・「部将」・「文官」を10人選んで、仮想で最弱国を築いてみました。さて、どんなメンバーになるのでしょうか?


君主:韓馥

君主:韓馥

君主:韓馥

劉禅や韓玄らを抑えて、韓馥が君主に選ばれました。
韓馥、字は文節。豫州潁川郡の出身です。董卓によって冀州牧に推挙されましたが、周囲に流されて反董卓連合に参加しています。
地縁を頼って荀彧や郭嘉、郭図や辛毗などを招聘しようとしましたが、彼らは最終的には袁紹や曹操の配下に収まってしまっています。
冀州は100万の兵力と10年分の兵糧を蓄えることのできる肥沃な土地でしたが、韓馥は公孫瓚の侵略を恐れて袁紹に州牧の印綬を譲り、さらに袁紹も怖くなって張邈のもとに逃れています。袁紹からの使者が張邈のもとを訪れると、自分が始末されると思い込み、厠で自害しています。
とにかく弱腰で、田豊・沮授・張郃などといった優秀な人材にも恵まれていながら、人を活かすことができなかった君主です。

軍師:許攸

軍師:許攸

軍師:許攸

軍師ですからそれなりに智謀に優れた人物から選出しました。
許攸、字は子遠。荊州南陽郡の出身です。なんとあの曹操や袁紹、張邈とも同等の付き合いをしていたこともあるほどです。ちなみに袁紹、張邈とは「奔走の友」の交わりを結んでします。
荀彧からは「貪欲で身持ちが治まらない」と評価されたように、親友である袁紹を裏切り、重要な兵糧基地の情報を相手側に売るという卑劣な行為を行っています。
おかげで曹操は烏巣の兵糧基地を奇襲し、大勝利することができたのですが、慢心した許攸はその功績を自慢げに語り、曹操を幼名の阿瞞と呼んで図に乗ったため、最終的に許褚に処刑されています。
いつ寝返るかわからないという大きなリスクを抱えた軍師です。

大将軍:牛輔

大将軍:牛輔

大将軍:牛輔

軍事面の最高責任者には董卓の娘婿である牛輔を選びました。
牛輔。字も出身地も不明です。
あの董卓に認められた人物ですから、武勇に優れ、兵を指揮する能力にも秀でたものがあったはずです。李傕、郭汜、張済という面々を従えていました。敵に回った李粛の軍勢を撃破する活躍も見せています。
しかし、臆病な性格だったようで、董卓が暗殺された後、夜に兵の一部が反乱を起こすと、牛輔は全体が反乱を起こしたと思い込み、金銀を抱え、腹心だけを連れて逃亡。逃亡している最中にその金銀に目がくらんだ部下に殺されています。
視野が狭く、兵をまとめるという統率力に問題がある武将です。

丞相:黄皓

丞相:黄皓

丞相:黄皓

政の中心となる丞相には、蜀の宦官である黄皓を選出しました。
黄皓、字も出身地も不明です。
蜀の滅亡の元凶ともされる宦官だけに、三国志演義の読者からの評価はかなり低いでしょう。ただ、権力者にへつらい、つけ入る技は抜群だったようです。劉禅から最も寵愛されていた宦官になります。
鬼道に通じていたようで、占いによって蜀が魏に征服されることはないと信じ、姜維の援軍要請を握りつぶしています。実際に蜀が降伏し滅亡した後も、鄧艾の側近に賄賂を贈って処刑を免れました。(三国志演義では最期、司馬昭によって八つ裂きにされています)
姜維や諸葛瞻らも黄皓の専横を止められなかったのですから、かなり用心深く、人脈の構築も上手だったかもしれません。国や民のために政治を行う気持ちはまったくないでしょう。

部将:夏侯楙と王忠と曹豹

部将:夏侯楙と王忠と曹豹

部将:夏侯楙と王忠と曹豹

軍事面で活躍を期待される部将として3人を選出しています。
まずは夏侯楙、字は子林(三国志演義では子休)。豫州沛国出身で、夏候惇の次男です。
夏侯淵の死後、安西将軍・持節に任じられ、都督関中を受け継いでいます。
しかし根っからの女好き、守銭奴のため都に召還され、兄弟たちから罪をでっちあげられて逮捕され、処刑寸前まで追い込まれました。
三国志演義では、夏侯淵の子で夏候惇の養子という設定で、蜀の北伐に登場しますが、敗戦して捕らえられ、さらに西方へと逃亡し、物語からフェードアウトしていきます。
とにかく弱い。夏侯楙が出陣すると、逆に敵が活気づくことでしょう。

続いて王忠、字は不明、司隷扶風郡の出身です。曹操に仕えて将軍位を歴任していますから、それなりに武勇に優れた人物だったはずです。
しかし、徐州で反旗を翻した劉備に完敗。三国志演義では、その罪で処刑になるところを孔融が取り成し、官爵剥奪にとどまっています。
三国志正史ではそのような記載がありませんが、人肉を食べた過去を曹操の息子の曹丕に馬鹿にされたと記されています。
いまひとつ光るところがないのが特徴といえます。

さらに曹豹、字も出身地も不明です。下邳県相として陶謙に仕え、劉備(玄徳)と共に曹操を迎撃しましたが敗れました。陶謙の没後はそのまま劉備(玄徳)に仕えましたが、劉備(玄徳)と袁術が対陣している最中に裏切り、呂布を下邳に迎い入れています。
三国志演義では留守役の張飛が酒を飲み、曹豹を鞭で打ったために恨んで呂布を迎い入れたと記されています。曹豹は逃げる張飛を追撃しましたが、返り討ちにあってしまいました。
それなりに武勇はあると考えられるのですが、内応する点が大いに心配な武将です。

まとめ・文官:楊松と蒋幹と岑昏

まとめ・文官:楊松と蒋幹と岑昏

まとめ・文官:楊松と蒋幹と岑昏

政治面で期待される文官3人です。
まずは楊松、字も出身地も不明です。張魯に仕えていましたが、賄賂によって身内の仲を裂く性格で、馬超や龐徳らを張魯と分裂させています。さらに内応し、打って出た張魯を閉めだしました。張魯は曹操に降伏し許されましたが、楊松は主君を売った罪で処刑されています。
とにかく楊松がいるとチームワークがバラバラになりそうです。

次に蒋幹、字は子翼、揚州九江郡の出身です。赤壁の戦いの目前に、同郷の周瑜を説得するために曹操が使者として呉へ送り込みました。
三国志正史では弁舌に優れていると記され、周瑜の忠義の篤さを知って説得を諦めるのですが、三国志演義では、周瑜にいいように利用されます。偽書によって味方の蔡瑁と張允を疑い、曹操に処刑させてしまうのです。さらに龐統に欺かれて連環の計にかかるきっかけを作ってしまいました。そのため味方に斬り殺されています。
今回は三国志演義のエピソードを取り入れ採用しました。

最後に岑昏、字も出身地も不明です。尚書として呉のラストエンペラー・孫皓に仕えました。孫皓と共に暴虐の限りを尽くし、呉の滅亡の元凶とされています。
三国志正史では張尚の助命嘆願を行うなどもしていますが、孫皓側近数百人の上奏によって処刑されています。
三国志演義では諫める丞相の一族を皆殺しにするなどさらに卑劣で、正史同様に処刑されていますが、あまりにも憎まれているために、引き裂かれて生肉を喰われるというシーンを演出しています。

弱腰、賄賂好き、すぐ寝返るなどの特徴を持ったメンバーで構成された最弱国です。果たして群雄割拠の時代の中で、どこまで生き残ることができるのでしょうか!?


この記事の三国志ライター

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